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深紅果実に翳る黒き翅と翠の弓姫

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2025年01月04日 12時09分
対象年齢:R18
スタイル:リアル
デイリー入賞 84
参加お題:

エルフの女戦士キルシェラは、森の中を気ままに歩いていた。風に揺れる金色の髪と、翡翠色の瞳が特徴的な彼女は、今日も何か面白いことが起きないかと期待していた。 「おい、キルシェラ!また勝手に出歩いて!」後ろから小柄なドワーフ、ドルフが息を切らして追いかけてきた。 「えー、だって森は私の庭みたいなものだもの。好きに歩いてもいいでしょ?」 「勝手なことばかりして!昨日も村のサクランボを勝手に摘んで食べただろう!」 「だって、サクランボは美味しいよ。恋と一緒だな。」 「何が恋と一緒だよ!村人が困ってたんだぞ!」 そのとき、遠くから悲鳴が聞こえた。 「助けてくれ!サクランボが悪魔に食べられてしまう!」 「おやおや、面白そうな予感!」キルシェラは笑顔で声のする方へ走り出した。 「待てってば!」ドルフは慌てて後を追う。 サクランボ畑に着くと、巨大な悪魔が赤い果実を次々と貪っていた。村人たちは逃げ惑っている。 「おお、あれが噂のサクランボを食い尽くす悪魔か!」キルシェラの目が輝く。 「早く何とかしないと!」ドルフが焦る。 「まあまあ、まずは観察しようよ。」キルシェラは悠々と悪魔に近づいた。 「何者だ、人間ごときが近づくな。」 「人間じゃないよ、見てわからないの?」キルシェラは首をかしげる。 「おい、冗談、顔だけにしろよ!」ドルフが突っ込む。 「私はエルフのキルシェラ。あなた、ずいぶんとサクランボが好きなのね。」 「そうだ。サクランボは我が力の源。我がものとして何が悪い。」 「でも、サクランボは大切にしないと。恋と一緒だな。」 「何をわけのわからぬことを!」 「つまり、独り占めは良くないってこと。皆で楽しもうよ!」 「黙れ!」悪魔はキルシェラに向かって攻撃を仕掛けた。 しかし彼女は軽やかにかわし、笑みを浮かべた。「おお、なかなかやるね。でもサクランボは甘いよ。恋と一緒だな。」 「またそのセリフか!」ドルフが頭を抱える。 「うるさい小娘め!」悪魔が再び攻撃を繰り出す。 「そろそろ本気を出そうかな。」キルシェラは弓を構えた。 「待て、勝手に突っ走るな!」ドルフが叫ぶ。 「勝手じゃないよ。だって私がやりたいんだもの。」 「それを勝手と言うんだ!」 キルシェラは華麗に矢を放ち、悪魔の手からサクランボを射落とした。「ほら、サクランボは大切にしないとね。」 「貴様あああ!」悪魔は怒り狂い、巨大な翼を広げた。 「おお、翼があるんだ。空も飛べるなんて羨ましいな。」 「今度は何を言い出すんだ!」ドルフが呆れる。 悪魔は空高く舞い上がり、巨大な火球を放った。キルシェラはそれを見て微笑んだ。「火球は熱いよね。恋と一緒だな。」 「いい加減にしろ!」ドルフが突っ込む。 しかし彼女はまったく気にせず、魔法の矢で火球を打ち消した。 「なぜ私の攻撃が効かない!」悪魔は焦りを見せる。 「それはね、サクランボへの愛が足りないからだよ。」 「何だと?」 「サクランボは優しく扱わないと、その甘さを味わえないんだ。恋と一緒だな。」 「もういい!」悪魔は最後の力を振り絞って突進してきた。 「そろそろ終わりにしようか。」キルシェラは矢を一本取り出し、静かに呪文を唱えた。光り輝く矢は一直線に悪魔の心臓を貫いた。 「ぐわあああ!」悪魔は苦悶の表情を浮かべ、闇に消えていった。 「やった!」ドルフが喜ぶ。 「うん、これでサクランボも安心だね。」 「全く、お前はいつもマイペース過ぎるんだ。」 「だって、それが私だもの。」 「はあ、冗談、顔だけにしろよ。」 「それって褒めてるの?」 「違う!」 村人たちは歓声を上げ、二人に感謝の言葉を伝えた。しかしドルフはキルシェラに小声で呟いた。「お前、もう少し協力的になれよな。」 「えー、でも私たちいいコンビじゃない?」 「どこがだ!裏でいつも俺の邪魔ばかりして!」 「それは気のせいだよ。恋と一緒だな。」 「だからもうそのセリフは聞き飽きたって!」 澄みきった夜空には無数の星々が煌めき、その輝きは大地を優しく照らしておりました。風は木々の葉をさらさらと揺らし、小川のせせらぎが遠くから囁きかけます。森は静寂に包まれ、生きとし生けるものたちは穏やかな眠りについております。月は高く空に浮かび、その銀色の光は世界を神秘的な色彩で染め上げておりました。明日への希望を胸に、人々は新たな朝を待ち望んでいるのでございます。

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いいねコメントありがとうございます。忙しくなって活動を縮小しています。返せなかったらすみません。

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