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蒼穹のフロンティア【星艦のホワイトデー】

テンペストの通路に、静かな灯りが流れていた。 外では無数の星々が、ゆっくりと流れていく。 戦いの合間の、ほんの短い休息の時間。 フェリックス・ローランは、通路の中央で立ち止まり、深く息をついた。 手の中には、小さな白い箱。 青いリボンが丁寧に結ばれている。 ——ホワイトデー。 数週間前、バレンタインの日にイザベルからもらったチョコレート。 それは、戦場を生きる彼にとって、どんな勲章よりも嬉しいものだった。 「……よし」 自分に言い聞かせるように、小さく呟く。 その時、通路の向こうから白い制服の女性が歩いてきた。 イザベルだった。 「ローラン中尉?」 彼女は少し首をかしげる。 その瞬間、フェリックスの心臓はまるで戦闘開始の警報のように高鳴った。 彼は慌てて姿勢を正すと、少し照れたように視線を落としながら 両手でプレゼントを差し出した。 「……あの、これ」 声が、ほんの少し震えている。 「この前の……お礼です」 普段は冷静なパイロットの彼が、こんなに緊張しているのは珍しかった。 イザベルは一瞬驚いた顔をしてから、ふっと優しく微笑む。 「……ありがとうございます」 彼女は両手で箱を受け取り、頬をほんのり赤く染めた。 その様子を見て、フェリックスの肩から、そっと力が抜ける。 遠くでエンジンの低い振動が響く。 宇宙は広く、戦いは終わらない。 明日にはまた、命を賭けた任務が待っている。 それでも—— この小さな贈り物の時間だけは、戦場の外にある、穏やかな世界だった。 星々の海を進む艦の中で。 フェリックスとイザベルの間に、静かで温かなホワイトデーが流れていた。 ※2人の距離が一歩近づきました😊

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オリジナルキャラクター劉妃(りゅうひ)のイラストをメインで投稿しています。 小説「閃光のミラージュ」「蒼穹のフロンティア」も投稿しています。                                 ↑ って言ってましたけど、最近は思いつくまま色々投稿してます(汗 良かったら、いいね、フォローよろしくお願いします。

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