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蒼穹のフロンティア【白き返礼 ― 蒼穹のホワイトデー】
第7機動艦隊旗艦テンペスト整備ハンガー。 アーマードユニットヴァルキリアの整備が続く夜。 整備ドローンの金属音と機体冷却装置の低い駆動音だけが静かな空間に響いていた。 アリシア・ヴァレンタインはパイロットスーツの上半分を脱ぎ、整備台の横に立っていた。 手の中には小さな白い箱。 今日は――ホワイトデー。 戦場にいるとそんな日付の感覚さえいつの間にか失われていく。 それでも今日はどうしても思い出してしまう。 士官学校を出て初めて任された部隊。 最初の部下だったカイルとミーナ。 二人を失ったあの日からアリシアの時間はどこか止まったままだった。 整備用ドローンが近づき、工具を差し出す。 その先端は偶然にもハートの形に見えた。 思わず小さく笑う。 モニターに表示された文字。 PILOT STATUS HEART RATE : 120% 「……まったく。」 戦闘のときより緊張しているかもしれない。 アリシアは白い箱を見つめながら静かに呟いた。 「ちゃんと、生きて帰るから。」 それが――彼女なりの返礼だった。 守れなかった命の分まで。 そして守るべき仲間たちのために。 背後でヴァルキリアの起動ランプが青く灯る。 戦場の空へ向かう準備が静かに始まっていた。 【消せない記憶】はコチラから ↓ https://www.aipictors.com/posts/723031 ※最近仕事が忙し過ぎていいアイディアが思いつきません💦
