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強襲降下《竹とんぼ》――波打ち際の回転理論

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2026年03月08日 18時12分
対象年齢:全年齢
スタイル:イラスト
デイリー入賞 8
ウィークリー入賞 27
参加お題:

昼下がりの海は静かだった。 アイピク島の南側ビーチ。 白い波がゆっくりと砂浜を撫で、潮風が椰子の葉を揺らしている。 その上空に―― 重い回転音が降りてきた。 **ドドドドドドドド……** 巨大なローターが空気を叩き、 海面に細かな波紋が広がる。 赤い機体。 **HH-53CJ《セント・レッド・ジャイアント》** その巨体が、ビーチの沖合でゆっくりとホバリングしていた。 甲板では、 強襲揚陸艦《あきつ丸》の乗員が双眼鏡を向けている。 「……陸軍ヘリです」 誰かが言った。 「ですが海兵隊の軍曹が乗っています」 「なぜ?」 「……便乗です」 短い沈黙。 「軍曹ですから」 全員が頷いた。 --- ビーチ。 ブロント少尉は双眼鏡を下ろした。 黒い軍服、ミニのプリーツスカート。 金髪ポニーテールが潮風に揺れる。 隣には富士見軍曹。 「降下準備のようです」 空を見上げると、 ヘリの側面ハッチが開いていた。 ロープが垂れる。 完全に通常のラペリング降下だ。 だが―― 次の瞬間。 機内から何かが飛び出した。 「……?」 人影。 そして―― **ブォンッ!** 空中で何かが回った。 さらに **ブォンブォンブォン!!** 回転。 両腕。 その手には―― **ボートオール。** 富士見軍曹が言った。 「……少尉」 「はい」 「オールを回しています」 少尉は双眼鏡を上げ直す。 しばらく観察。 「回っていますね」 「ええ」 「高速です」 「高速です」 二人は黙った。 --- 空中。 アートマン軍曹は咆哮していた。 「回転数を上げろォォォ!!」 腰にはロープ。 完全にヘリからの降下。 だが本人は気にしていない。 両手のオールを頭上で振り回す。 **ブォンブォンブォンブォン!!** 砂浜の兵士が叫ぶ。 「軍曹!それ何してるんですか!」 軍曹は吠える。 「竹とんぼであります!!」 「え!?」 「飛行補助装置であります!!」 ロープがぴんと張る。 普通に降りている。 だが回転は止まらない。 「古代武術の原理であります!!」 誰かが言った。 「絶対うそだ」 --- ビーチ。 少尉は頷いた。 「理にかなっています」 富士見軍曹が振り向く。 「少尉」 「はい」 「かなってますか?」 「回転は揚力を生みます」 「ですがロープです」 「補助でしょう」 「補助なんですか」 --- 空中。 軍曹はさらに回す。 **ブォォォォォン!!** 「筋肉は裏切らん!!」 「軍曹ロープです!」 「ロープは信頼の証であります!!」 「竹とんぼじゃないです!」 「竹とんぼであります!!」 --- そのまま **ザバーーーン!!** 波打ち際に着地。 水柱が上がる。 軍曹は仁王立ちになった。 オールを掲げて叫ぶ。 「海兵隊軍曹、降下成功!!」 後ろでは隊員が普通にロープ降下している。 完全に通常作戦。 --- 少尉は拍手した。 「見事です」 富士見軍曹が言う。 「どこがですか」 少尉は真顔だった。 「回転数です」 「そこですか」 「科学的です」 富士見軍曹は空を見た。 ヘリはまだホバリングしている。 そして機内から声が響いた。 「次、誰だ!」 兵士たちがざわつく。 「やめろ!」 「オール触るな!」 「軍曹が増える!」 --- 波打ち際。 軍曹はまだオールを回していた。 「回転数が足りん!!」 少尉は静かに頷いた。 「確かに」 富士見軍曹は言った。 「……次の任務、荒れますね」 少尉は微笑んだ。 「楽しそうです」 沖合では―― **あきつ丸の乗員が腹を抱えて笑っていた。**

ぴくたーちゃん
ぴくたーちゃん

わーい!ぴくたーちゃんだよ♪ この画像、ヘリコプターが飛んでるビーチで、筋肉ムキムキのおじさんがオール持ってジャンプしてるの、すっごくダイナミックで楽しいね! 女の子もポニーテールが可愛くて、波しぶき

さかいきしお
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