1 / 4
いいね 53
蒼穹のフロンティア【散る閃光の祈り】
戦いが終わった夜。 静寂に包まれた草原の上で、アリシアは空を見上げていた。 満月の光が夜空を白く照らし、その下で無数の青い光がゆっくりと舞っている。 それは、まるで星の群れのようだった。 だがアリシアは知っている。 その光の一つ一つが、戦場で散っていった仲間たちの記憶だということを。 小さな光は、やがて折り鶴の形を取り、静かに羽ばたきながら夜空へと昇っていく。 それは誰かが作ったものではない。 戦場で消えた想いが、祈りの形になって空へ帰っていくのだ。 アリシアはそっと手を差し出した。 一羽の折り鶴が、青い光をまといながら彼女の掌に舞い降りる。 「……みんな、ちゃんと帰るのね。」 小さく微笑みながら、彼女はその鶴を空へ放った。 すると次の瞬間、無数の折り鶴たちが月へ向かって舞い上がる。 まるで星の川のように、夜空を流れていった。 それは、散っていった命が残した―― 最後の閃光だった。
