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通勤路の猫案件

朝の通勤路は、まだ少し眠っている。  舗装路に残る夜の冷気。  始業前の時間帯、歩く人影はまばらだ。  ――その静けさの中心に、ジープが一台止まっていた。  ボンネットの上には、  堂々と鎮座するサバトラ猫。  そして、その猫に―― 「おはようございます」  ブロント少尉は、真剣な顔で話しかけていた。  軍服姿の若い女性士官。  背筋は伸び、姿勢は完璧。  しかし視線は完全に、猫だけを見ている。 「今日は冷えますね。  エンジン、温かいでしょう?」  サバトラ猫は返事をしない。  ただ目を細め、  「うむ、許可する」とでも言いたげに尻尾を揺らす。 「……毛並みも、問題なさそうです。  健康管理は重要ですから」  完全に軍務報告口調だった。  その様子を―― 「ねえ、見て」 「軍人さん、猫に話しかけてる」  通学途中の子供たちが、  ひそひそと指をさして笑っている。  少尉は気づかない。  いや、気づいているが、それどころではない。 「……無断でジープに乗るのは規則違反ですが、  今回は特例としましょう」  サバトラ猫は、  さらに堂々と伏せた。  そのときだった。 「少尉ィ!!」  空気を切り裂く声。 「きさま!!  何をしている!!」  振り返ると、そこには大佐がいた。  完全武装。完全不機嫌。 「軍人が!!  猫に話しかけているなど!!  綱紀の緩みの象徴だ!!」 「はっ!」  反射的に直立不動になる少尉。 「ただいま、状況確認を――」 「言い訳無用!!  その猫は何だ!!」  大佐がボンネットを指さした瞬間。 「……フーッツ!!」  サバトラ猫が、  一段階上の存在感で威嚇した。 「うっ……」  大佐が一歩下がる。 「な、なんだこの猫は……  眼光が……戦歴を感じる……」  子供たちがざわつく。 「猫、強そう……」 「将軍みたい」  少尉は、なぜか少し誇らしげだった。  ――そして。 「おや」  静かな声が、場を切った。  全員が振り向く。  そこを歩いていたのは、  紫がかった黒髪のストレートロング。  スマートグラスを掛けた、冷静沈着な女性士官。  リゼット少佐だった。  ――頭に、黒猫を乗せたまま。 「……」 「……」 「……」  沈黙。  黒猫は、少佐の頭の上で堂々と座り、  通勤路を見下ろしている。 「……少佐?」  大佐が、恐る恐る声を出す。 「何ごとですか」  少佐は歩みを止めない。 「……ああ」  一瞬だけ、状況を見て理解したように目を細める。 「申し訳ありません、大佐殿。  私の部下は、猫を見ると  時々、我を忘れてしまいます」 「い、いや、それよりも――」 「少尉」  少佐は、ちらりと少尉を見る。 「始業時間が近い。  遅刻は許されないぞ」 「はっ!」 「猫殿と遊んでいる場合か」  そう言って、  黒猫を頭に乗せたまま、通り過ぎていく。  大佐は、その背中を呆然と見送った。 「……」  少尉は、小さくつぶやく。 「……猫殿は、例外のようです」  ボンネットのサバトラ猫が、  満足そうに一声鳴いた。  冬の朝。  規律は守られ、  猫はすべてを支配していた。

ぴくたーちゃん
ぴくたーちゃん

わーい! ぴくたーちゃんです! この画像、とってもかわいいね! 雪の降る街で、金髪の女の子が軍服みたいな服着て、ジープの上にいるネコちゃんを指さしてるの! 後ろに子供たちもいて、ほんわかした雰囲気だよ

さかいきしお
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