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番外編 ――新春・青龍旋回
正月の境内に、鋭い金属音が響いた。 石畳を震わせながら回転するベ◯ブレード。 それを追うように、劉妃は前へ踏み出す。 最初は、ただの遊びだった。 新年の空気に誘われ、久しぶりに童心へ戻っただけ――そのはずだった。 だが、回転が加速するにつれ、彼女の周囲の空気が変わる。 足元から、淡い青い光が立ち上り、帯、袖、長い銀髪が風に煽られた。 「……まだ、止まらない」 劉妃の瞳が強く輝いた瞬間、青龍の力が解き放たれる。 稲妻のような気流が彼女の腕から走り、その力を受けたベ◯ブレードは もはや単なる玩具ではなくなった。 轟音。 火花。 回転は限界を超え、石畳を削りながら青い軌跡を描く。 笑みを浮かべたまま、劉妃は言う。 ――本気は、ここから。 新春の静けさを切り裂く旋風。 それは勝負でも遊戯でもない。 青龍に選ばれし者が、本気で回した一瞬だった。 そして境内には、今年もまた、とんでもない一年が始まったことを告げるように、 いつまでも凄まじい回転音が響き続けていた。
