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閃光のミラージュ 番外編【新春・羽根つき覚醒】
正月の澄んだ空気の中、 神社の境内に軽やかな音が響く。 劉妃は笑顔で羽子板を振り、ごく普通の――どこにでもある新年の遊びを楽しんでいた。 一打、また一打。 羽根は陽光を受けて舞い、そのたびに彼女の着物がふわりと揺れる。 最初は、無邪気な遊戯だった。 だが、 羽根が強く弾かれるたび、劉妃の瞳の奥に、かすかな光が灯る。 ――もう少し、本気で。 踏み込みが鋭くなり、羽子板を振る腕に力が宿る。 空気が変わり、羽根が地面に触れた瞬間、 火花のような衝撃が弾けた。 そして、ついに。 青い稲妻が劉妃の周囲を駆け巡り、長い髪が雷光に照らされて舞い上がる。 青龍の力が、静かに、しかし確かに目を覚ました。 笑顔は消え、代わりに宿るのは、揺るぎない覚悟。 羽子板を構え、正面から羽根を打ち据えるその姿は、 もはや遊びではない。 ――ココカラが、本気の戦いの始まり。 新春の境内に轟く雷鳴。 それは勝敗を競う音ではなく、 劉妃という存在が“全力”へ踏み出した合図だった。
