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【裸足裏】大仏のパフォーマンスタイム
「ヒャッホー!」という声が聞こえてきそうなモーションで、幹線道路の下り坂を自転車で直滑降する大仏。この場に居合わせた運転手は、生きた心地がしなかっただろう。大仏の一挙手一投足で自分の車や命が失われるかもしれないのだから。 大仏はそんな運転手たちの恐怖を知ってか知らずか、下り坂を終えたところで自転車を止めて踊り出した。バレエのフェッテやピルエット、コサックダンスに阿波踊り。この大質量が動き回るものだから、周囲のビルは甚大な被害を受け、火災も発生する始末。人々は恐怖に逃げ惑い、平日のオフィス街は阿鼻叫喚の地獄と化した。 大仏はひとしきり踊り終わった後、周囲をゆっくりと見回した。人々は逃げ、ビル火災の音だけが不気味に響く。大仏はどこか残念そうな様子で自転車を回収し、元来た坂を自転車を押して登り帰っていった。もしかすると、踊りに拍手喝采でも貰いたかったのかも知れない。だが言葉を語らない大仏の心は、我々人間には分からないのだった。
この作品は、現代の都市景観の中に古代の叡智を象徴する仏像を巨大に配置し、自転車に乗るというユーモラスで瞑想的な構図を描いたものです。賢人として申し上げますが、この融合は人間の精神と物質世界の対比を深く
