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【通話ヘッドセット】ミサイル将軍誕生秘話（前編）
【1枚目】（初めて出会った日） 「あっ・・・お、お初にお目にかかります！私は本日より戦車隊隊長のドミサイル少佐のオペレーターを担当させていただきます、シニカ・ブルーライトであります！」 よろしく頼む。しかし、随分と若いな。まだ子供に見えるが。 「こ、子供・・・こう見えても私は14歳です・・・あります！確かに新米軍人で指令室配属になったのも三日前でありますが、理不尽に攻めてくる敵軍を許せず軍に入った、愛国の魂を持つ正式な軍人であります！」 ああ・・・すまない、気を悪くしたか？俺も戦車隊に転属したばかりで、専任のオペレーターが付くのも君が初めてでな、言い方を間違えたかもしれん。要するに、若いのに指令室に配属されるとはよほど優秀なのだろう、と言いたかった。 「あっ、そ、そうでし・・・そうでありましたか。こちらこそ失礼な物言いをしてしまいました、申し訳ないであります」 ふっ、初めて同士だ、こういう事もあるだろう。それと、慣れないなら無理に口調を作らなくてもいいぞ。そのせいで情報伝達がスムーズに行かない方が問題だ。話しやすい言葉で構わない。 「お、お気遣いありがとうございます・・・で、では本日の作戦にかかりましょう」 【2枚目】（それから2年後） 「ドミサイル少佐、本日もよろしくお願いしますね」 ああ。あれから敵方に大きな動きはないか？ 「先日の我が方の空軍による攻撃の結果、相応の被害が出ておりその対処に追われているようです。今が好機であり、一気に攻め立てよとの命令が出ています」 そうか・・・あれは敵方の民間人にも被害が出たはずだな。今攻め立てれば、逃げ遅れている民間人にはさらなる被害が出るだろう。あまり人道的とは言えないが・・・その辺りは上手くやろう。 「はい、過剰に砲撃などせずとも、戦車で接近するだけで民間人は怯えて逃げるはず。少佐の手腕に期待していますね」 ああ、シニカのサポートにも期待しているぞ。上手く民間人の少ないルートを算出してくれ。それとだが・・・相手が俺だからいいものの、階級を間違えるのはまずいぞ。先日、俺が中佐に進級した事は知らないか？ 「・・・あーっ！？す、すみませんついクセで！2年も少佐って呼んでたから・・・あっ、ちゅ、中佐ですね！はい、もう間違いません！」 気難しい上官なら即刻処罰していただろうな。だが、不思議とお前の事は憎めない。愛嬌という奴かな。 「あはは・・・気を抜くと室長に軍人らしく振る舞えと言われるのですけどね」 【3枚目】（さらに2年後） 「ドミサイル大佐、出撃命令です。敵方が陸軍本隊を側面から奇襲する動きが見られるため、急ぎドミサイル部隊を率いて応援に駆け付けよとの事です」 分かった、すぐに向かおう。現地点の防衛任務は後任が来るのか？ 「いえ、残念ながらすぐには・・・ですが、敵方も陸軍本隊との戦いのために戦力をそちらに集中させています。現在ドミサイル隊が警戒する地点を突破する部隊が出現する可能性は0.3％にも満たないかと」 お前がそういうなら信じよう。・・・ドミサイル隊、総員前進！本隊と合流する！ 「予定の合流ポイントまでの区間、敵影ありません。索敵はこちらが担当しますので、大佐は実際の陸路状況に集中してください。合流ポイントへの到着予定時間は最短でも10時間後ですから、休憩の申し出がある場合は早めにお願いします」 そうだな、運転疲れ解消や燃料補給のための休息が最低2回は必要だろう。・・・ところでシニカ、到着まで少し軍務と関係のない話をしてもいいか？ 「・・・現在、敵影もありませんので構いません。敵が来たらそこでお喋りもおしまいですからね？」 感謝する。・・・君、昔はショートヘアだったが今は伸ばしているな。何かの願掛けか？そういう風潮が流行っているという噂を聞いた事があるが。 「い、いえ私はそういう訳ではないです。か、風の噂ですが、大佐がロングヘアの女性の方が好みだという情報が耳に入りましたので・・・そ、その！こうして専属オペレーターとしてモニター越しとはいえ顔を合わせる訳ですから、少しでも士気が上がった方がいいかなぁと！わ、私なんかの外見に興味はないかも知れませんが、一応・・・」 噂の出所が気になるが、まぁ確かにどちらかというとロングヘアの方が好みだ。だがそもそも、君の髪型一つで士気に影響などしないさ。 「そ、そうですよね・・・はぁ」 ああ、すまない。また言葉が足りなかったか。4年間相棒として任務をこなしてきたシニカの事を、今更髪型一つで評価変えしたりするものか。君が俺のオペレーターであるというだけで、十分にやる気が出るというものだ。君に情けない戦果など見せたくないからな。 「ふぇっ・・・？」 今度の休暇日が丁度君の誕生日だからそこで言おうと思っていたが、今言っておこう。指輪を用意している、君に受け取って欲しい。 「そ、そそそそれって！？」 俺の妻になってくれ、シニカ。 【4枚目】（さらに2年後） 随分とお腹も大きくなったな。 「ええ、元気な子供が産まれるでしょうって先生も太鼓判です。私と少将の子供ですから、強い軍人に育つでしょう」 今度直接会える日が楽しみだよ。そろそろ入院だろう、一時的とはいえ君がオペレーターから外れるのは少し心細いな。 「まぁ、もうすぐ中将への進級も決まっている方がそのような情けない事をおっしゃるのですか？子供の手本になるような、かっこいいパパとして振る舞って下さい」 ふっ、違いない。敵の攻撃も激化している、気を抜いて戦死などしたら君に一生恨まれるだろうからな、気を引き締めて臨むさ。 「はい、頑張ってください、あなた」 【5枚目】（2週間後） 「ドミサイル君。出産のため入院したシニカ君に代わり、今日から私がオペレーターだ」 司令官自らですか！？なんと畏れ多い。 「人手が足りなくてな、ふんぞり返ってもいられん。それに君は戦車隊のエースだ、なまじの新人には荷が重い」 光栄です、司令官。 「君の戦果が振るわなかったら、シニカ君に小言を言われてしまいそうだしな」 さすがにそれは・・・いや、シニカなら口が滑るかも知れませんな。 「さあ、お喋りは終わりだ。迎撃作戦の概要を説明しよう」 ははっ。 【6枚目】（その2週間後） 「ドミサイル君、落ち着いて聞いてくれ。昨日、敵の空軍により市街地が爆撃を受けた」 なんと・・・！ 「それで・・・君に言うべきか迷ったが、今伝えなければもう機会がないかもしれない。だから言おう」 ま、まさか。 「病院と周辺にも多数のナパーム弾が着弾し、周囲は数分とせず火の海に」 シニカは！妻はどうなった！ 「・・・病院は全焼。生存者、なしだ」 ・・・・・・・・・う。 「・・・」 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！ 【7枚目】（数日後） 「中将が！」 「中将が討ち死にされた！もうダメだ、撤退しよう！」 「ご遺体は！？」 「回収していたら我々もやられる！残念だが・・・」 ああ・・・撃たれたのか、俺は。だがこれで、シニカのところへ行ける。 後編へ続く（2025/10/26 00：00公開予定） https://www.aipictors.com/posts/667263
わーい！この画像、青髪の女の子がパソコンでがんばってる姿がすっごくかっこいいね～！ぴくたーちゃん、こんなクールなハッカーさんみたいでドキドキしちゃうよ♪ 表情が真剣で可愛いし、ピンクの背景が未来的でオ
