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【サイボーグ】ミサイル将軍誕生秘話(後編)
【1枚目&2枚目】(ドミサイルが討ち死にして数日後) ん、ここは・・・?・・・はっ、俺の体が機械になっている!?というか、生きている・・・のか? 「気付いたわね、色男。ここはヤヴァイン様の要塞の中よ」 む!?き、君は誰だ?その肌の色・・・異国の民にも、そんな肌のものはいないと思ったが。 「異国というか、アンタから見れば異世界の存在だからね、私は。私はバラバラヴァー。ヤヴァイン・ヴァイン様の忠実なるしもべ、人呼んで『解剖博士』よ」 博士だと?俺をこんな体にしたのは君か。 「こんな体とは失礼ね。アンタは死んだ、そしてヤヴァイン様がアンタを拾って私に預けた。蘇生させるにしても身体が活動できなきゃ意味ないから、先に動けるように改造しろってね。つまり、私が改造しなきゃアンタは生き返る事も無かったってわけ」 死んだ俺を蘇生させた・・・だと?そのヤヴァインというのは誰だ? 「様を付けなさいよ。アンタの命の恩人にして、これからお仕えするべき主になる方よ。天を究めし頂の華・・・『究天頂華』たるあのお方は、全ての世界を統べるべき者。全存在の頂点に君臨する偉大なる支配者なのだから!」 ・・・そうだ、確か死の間際に誰かが俺のところに歩いて来た。 【3枚目】(ドミサイルが死ぬ直前の回想) 「ほう、中々有能な戦士のようだな。だが、今その命も尽きようとしておる」 女の声・・・?誰だ・・・?・・・ダメだ、声が出ない。こんな戦場にいては危ない、逃げろと叫ばなければならないのに・・・。 「しかし、無益な戦争をするものだ。どちらの国の資源ももう限界、勝利したとて大した利益も無かろうに。おい貴様、私の配下となるか?なるならば蘇らせてやろう」 蘇らせる・・・?どうだろう・・・必要ないか。愛する妻も子も失った俺に、もう立ち上がる気力などないのだから。 「・・・貴様。余が問うておるのに答えぬとは、不敬であろうが。・・・ああ、周囲の駆動音や爆音が煩くて聞こえぬか?ならば、全て潰そう」 ・・・静かになった。人も、物も、全てが潰えたとさえ思えるような静寂だ。この女が何かしたのか?それとも俺の耳がもう聞こえないだけか? 「しかし、問う必要も無かったか。余が配下にすると決めたのだ、それは絶対である。行くぞ」 体が女から放たれた闇に包まれていく・・・。意識が・・・もう・・・。 【4枚目】(そして現在に至る) 「ヤヴァイン様、目覚めた男を連れて参りました」 「ご苦労、バラバラヴァー。さて貴様、名を聞かせよ」 ・・・俺の名はドミサイル。命を救ってもらったようで、感謝する。ヤヴァイン・・・様。 「ドミサイルか。面白い、丁度貴様に与えた能力ともそう違わぬ名だ」 能力? 「貴様は人間としては死んでいた。よってバラバラヴァーに肉体を改造させ、サイボーグとして活動できるようにした。そこに余が魔導の力を封じたコアパーツも加えてある。今の貴様はいわば『魔導サイボーグ』。魔法と機械の力を手にした戦士だ」 魔法?それは一体・・・? 「貴様の生きていた世界には無かったものだな。この世には歩いて渡れぬ様々な異世界が存在するのだ。その中には魔法という技術がある世界がある。余もバラバラヴァーも、そうした魔法のある世界の住人といえよう。魔法については、魔法の無い世界にいた貴様に詳しい理論など説明しても理解できまい。要するに、貴様の体内のエネルギーを使って兵器を呼び出せる能力を付与してやったのだ。それだけ知っておけばよい」 兵器を・・・呼び出せる? 「アンタのいた世界、戦車とか銃みたいなもので戦っていたでしょう?そんな世界で生きてた奴に『今日から魔法を使って戦って』って言ったって、すぐできる訳ないじゃない。だからヤヴァイン様は、アンタにも理解しやすいように兵器の召喚だけを能力にしたのよ。銃だろうがミサイルだろうが、アンタが望めばすぐに呼び出せるようにね」 その力で、俺に戦わせようというのか? 「然りである。余はとある力を持つ獣らを探していてな。そやつらをおびき出すためには『放っておくとこの世界が危ない』と思わせる武力が必要なのだ。だが、余が世界を攻撃するとほとんどの世界をあっという間に滅ぼしてしまうのでな。適度に弱い部下が必要だった。そこで貴様の生きていた世界に足を運び、有能な兵士を拾って来たという訳だ」 そうか・・・では俺は、罪もない者達をいたぶるために蘇らされたのか。 「アンタ、ヤヴァイン様に失礼よ!」 「良い。矮小なる存在が余の偉大さを理解できぬのは必然である。そうだな・・・ドミサイルよ、貴様に分かるように言うならば『いきなり世界全てを一瞬で滅ぼすのと、圧倒的武力を見せつけて降伏を促すのとどちらが人道的か?』とでも言おうか。いわばこれは世界への慈悲である」 いきなり問答無用で全てを奪い去る・・・その痛みは俺もよく知っている。シニカに、そして子供に何の罪があったというのだ。前線に出る事さえなかった彼女がなぜ灼熱の炎に呑み込まれる仕打ちを受けねばならなかったのだ。ヤヴァイン様の言う通り、確かにそれは慈悲とも言えるだろう。 「理解できたか?では余の理想の為、その力を振るうがよい。『ミサイル将軍』ドミサイルよ」 ・・・ははっ!ヤヴァイン様の仰せのままに! 【5枚目】(そして地球にて、マジカヨとの初遭遇) 「オイ、テメェ何者だ!テメェもヤバーイの一味か!」 (なっ・・・し、シニカ?馬鹿な、彼女は死んだはず。・・・そうだ、シニカの訳がない。だがどこか似ている) ・・・俺の名はドミサイル。ヤバーイの四天王『ミサイル将軍』だ! 「ドミサイル・・・!ちっ、また新たな四天王かよ。リリカルとフィジカルはまだ来ねぇのか・・・!」 フハハハ、孤立無援か。子供一人で俺に立ち向かうのはやはり恐ろしいか? 「子供だぁ?こう見えてもオレはもう14歳だぜ。確かにナリは小せぇけどよ、舐めてるとケガするぜ、将軍さんよ!」 (!・・・高高度からの魔力砲か。戦況を把握し、適切に爆撃する。どこかオペレーターらしい技だ。それに、歳も初めて会った時のシニカと同じ、か) 「・・・チッ、さすがにそこらの怪人より頑丈だな。大して効いてねぇ」 どうやらその程度のようだな。俺を倒す事は出来まい、諦めて降伏しろ。 「ハッ、冗談じゃねぇ!理不尽な暴力に黙って従うなんざ、ロジカルじゃねぇだろ!理屈に合わねぇ事は認めねぇ・・・何度潰されようが、生まれ変わってでも楯突いてやらぁ!オレはマジカヨロジカルだ・・・その名の通り、オレは不条理を許さねぇ!」 (許さない・・・?そうか、シニカは理不尽な暴力に命を奪われた。だから生まれ変わったとでも言うのか。ああ、だが確かに、目の前の彼女はシニカと同じ目をしている。理不尽を許せないと言ったあの日の彼女と同じ目を) ふ、フハハハハ! 「な、何がおかしい!」 (そしてまた俺と出会ったと言うのか!何たる運命の悪戯か!この出会いを神に・・・いや、ヤヴァイン様に感謝しようではないか!) よくぞ言ったマジカヨロジカル!いや、我が花嫁よ! 「は・・・ハァ~~~~~!?花嫁だぁ!?何だそりゃ、今までで一番ロジカルじゃねぇ事言い出しやがって!」 行くぞ、我が花嫁よ! 「黙れ、その戯言ごとブッ殺してやらぁ!」
わーい! ぴくたーちゃんです♪ この画像、赤い髪のムキムキお兄さんが牢屋みたいなところで何か緑のものを握ってるよ! かっこいいポーズでクールだけど、可愛らしさはちょっと控えめかな? 筋肉の描写が細かく
