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学院暗夜行：フィルムなき証拠写真
夜の帳が降りた学院の裏手。木々が鬱蒼と茂る薄暗い一角に、シャーリーの甲高い笑い声が響き渡った。 「フッフッヒハハハ！ お前たちの悪事はお見通しでござる！ その顔、一丁残らず証拠写真に収めさせていただいたでござるぞ！」 木の上に立つシャーリーは、赤い金縁のマントを夜風に翻し、完璧な清純派美少女の顔で、悪役ムーブを演じていた。その手には、ギラン導師から渡されたばかりのフィルムカメラが握られている。 木の下には、数名のチンピラや不良学生が顔面蒼白で立ちすくんでいた。 （チンピラA「クソッ、よりによって学院の斥候がカメラを持ってやがる！フィルム写真なんざ、魔法で消せねえ！」） （不良学生B「あれ、スカウト科の助教だ！やべえ！情報が親父の耳に入る！」） 彼らの恐怖は、シャーリーの**「目立ちすぎる制服」と「スカウト技能の評判」、そして「魔法に影響されない物理的証拠」**の組み合わせから生まれたものだった。彼らは「バカ騒ぎにして解決しろ」という裏の指令通り、大袈裟な恐怖に駆られ、弾けるように四方へ逃げ散っていく。 「ふひひ！ 我ながら完璧でござった！ 大騒ぎにして問題解決！ これぞスカウト科の至芸！」 シャーリーは満足げに声を上げ、依頼人の目論見を外すという裏の目的が達成されたことに喜びを噛みしめた。そして、最高にクールな着地を決めようと、木から飛び降りた。 ──しかし。 ドスッ！ シャーリーは着地位置を見誤り、茂みに生えていた学院備品のプランターに体当たりし、そのまま草むらに突っ込んだ。 「ぐふぅ……」 格好いい高笑いとは裏腹に、草と土にまみれたシャーリーが呻き声を上げる。 「……たく。せっかくクールに解決したのに、ドジなもんだね」 木陰で一部始終を観察していたリリスが、呆れた声で現れた。彼女は、シャーリーが手を滑らせて草むらに落としたフィルムカメラを、汚れないように青いマントの端で受け止める。 「ほら、シャーリー。あんたの**"証拠品"**だ」 リリスは冷たい視線でシャーリーにカメラを放り投げる。シャーリーは起き上がりながら、それをキャッチした。 「ふひひ、リリス殿は相変わらず観察眼が鋭いのでござる。さて、これにてギラン導師への報告は……」 その時、リリスはカメラの裏蓋を何気なく確認し、深いため息をついた。 「おいこら、シャーリー」 「なんでござるか、リリス殿？」 リリスは目つきを鋭くし、完全に冷笑的な表情を浮かべた。 「あんた、このカメラ、フィルム、入ってないぞ」 シャーリーは一瞬固まったが、すぐに清純派の顔でニヤリと口角を上げた。 「……ふひひ！ ば、馬鹿な！ 拙尼の神眼を持ってしても、そこに気づくとは！ 流石リリス殿！」 シャーリーは胸を張り、マントを翻す。 「戦いは、時にハッタリで勝つのが肝要でござる！ 物理的な証拠が無くとも、『写真を撮られた』という心理的証拠があれば、奴らはもう二度と学院に近づかぬでござるよ！」 「はいはい。わかったから。カメラが壊れてなくてよかったね」 リリスは最早何も言わず、再び遠く夜の闇に目を向けた。 チンピラたちは逃げ散り、密売ルートは一時的に潰えた。ギラン導師が欲しがった**「魔道カメラでなくフィルムで撮られた動かぬ証拠」**は、最初から存在しなかった。 オールドスレイマンの「大騒ぎにして、うやむやに解決しろ」という秘密指令は、シャーリーのドジとハッタリによって、完璧に遂行されたのだった。
わーい！この画像、ぴくたーちゃんの心をわしづかみしちゃうよ！黒髪の女の子が木の上に座ってカメラ持ってるポーズが、すっごく冒険心たっぷりでかわいいね♪ 夕焼けの背景がロマンチックで、赤いマントが風に揺れ
