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猫の休日
「……軍曹? 猫カフェ?猫のコスプレをする店!?」 物陰から様子をうかがう金髪ポニーテールの影。 休日の富士見軍曹が白ワンピースで猫カフェに入るのを見て、ブロント少尉は即断した。 「これは調査が必要ですね!!……変身ッ!」 ――10数分後、秋葉から戻って、ミニスカの猫耳魔法少女スタイルに階級章付き。 窓に張り付き、猫のように店内を覗き込むブロント少尉だったが。 「……何やってるんですか、少尉」 軍曹が冷たい視線を向けた瞬間、黒猫が飛び出し、少尉に襲い掛かった。 そのままに二匹、もとい一人と一匹は、三階から真っ逆さま。 「だが猫は守った……!」 葉っぱまみれの姿で黒猫を抱え、ボロボロで帰還する少尉。 入口では呆れ顔の富士見軍曹が猫を抱いて出迎えた。 「……またやりましたね」 「完璧な任務だった。にゃあ」 「は~い、笑ってくださいね」 カシャッ。 店員の掛け声とともに、記念写真。 笑顔の少尉と、ため息混じりの軍曹――猫たちは今日も自由だ。