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使命からの解放
「リリス、厄介ごとだ!!」 「んだよ?おっさん、騒がしいな。それにこの頃馴れ馴れしいぜ」 食堂で食後のデザートを楽しんでいたリリスは、怪盗神父チャーリー・ウッドの様子に顔を顰める。 元地回りヤクザである、チャーリーが取り乱すのは珍しいことで、リリスは悪態を付きながらも向き直る。 怪盗神父は、辺りを見渡して声を潜めた。 「テロをしでかそうとした兵士を押さえた」 そこで、さらにチャーリは、ほとんど聞き取れない様なささやきを口にする。 (呪いを、クエスト「使命」を掛けられている) 「どこにいる?案内しな」 "Zareth'thal shara'm talon, ezkora te'ath mistha! Flaria, krossa ariel tharon! Sahrun galathin, zyrak kor'a! Aral fe'ryon, elotha zurn!" ("呪いの鎖よ、お前を強いることは許さない!ファラリアよ、あんたが神なら、これは絶対に許せない!解け、クソったれな鎖よ!自由と意思を束縛し、無理に引きずり込んだ呪い、今ここで砕けろ!") 自由と平等と人の意思を尊重する女神の巫女は、人に使命を強制する呪いを許さなかった。