【ツインテール】瑞葵ちゃんの昔の写真

「瑞葵ちゃん小さい頃から美少女だったんだ」 「うーん、どうでしょう。子供って皆可愛く見えませんかね？」 私は瑞葵ちゃんの家に来ていました。会話の流れから、瑞葵ちゃんの昔の写真を見せてもらえる事になったのです。が、アルバムを持ってきてもらうのも大変だろうという事で私が足を運んだという訳です。もちろん、事前にセフィ〇ス似のお父さんが家にいない事は確認を取っています。 「どれも凄くいい写真だね。瑞葵ちゃん、この頃はツインテールだったんだ」 「そうですね。今はストレートかツーサイドアップが多いですけど」 年相応の可愛らしい髪型は良く似合っています。瑞葵ちゃんは髪の毛綺麗だから色んな髪型を見てみたくなります。隣に座る瑞葵ちゃんの髪をさらさらと撫でると、気持ち良さそうに目を閉じて私に頭を摺り寄せてきました。 「何いちゃいちゃしてるんですか。リビングでそういうのやめてもらえます？」 げ、向日葵ちゃんに見つかった。でも、これは仕方がないことなのです。 「向日葵ちゃん、瑞葵ちゃんの部屋に行ってこういう事してると、私がどういう目に遭うと思う？」 「・・・その気になった瑞葵に力ずくでベッドに引きずり込まれてあーれーな目に遭いますね」 「凪さんもおねーちゃんも私の事えっちな子だと勘違いしてませんか・・・？」 いやいや、結構勘違いじゃないと思う。少なくともえっちじゃない子は男相手にスカートめくって見せないでしょう。と、アルバムをめくっていると瑞葵ちゃんが分身してる写真が一枚。 「あれ、これって向日葵ちゃん？」 「ですね。おねーちゃんもこの頃は髪を伸ばしてたんですけど、小学校に上がる頃から短くしちゃって」 何でだろう。何かあったのかな。 「学校の友達に分かりやすくするためだと思いますよ。ほら、双子だから間違われやすいし」 「あーなるほどね」 「違います」 おや、向日葵ちゃんが否定してきた。何だか複雑な顔をしているけど。 「同じ髪の長さにしてると、瑞葵が私に化けて悪戯をするんです。で、私のせいにされる事がままあったので、ざっくり切りました。髪を伸ばすのはウィッグを被ればいいですけど、短く見せるのは大変ですからね。これで瑞葵が私に化けるのを阻止してたんです」 ああ・・・目に浮かびますね。瑞葵ちゃんは私の前だと丁寧な振る舞いをしていますが、『妹』モードの時は末っ子気質丸出しの状態です。向日葵ちゃんを名乗って悪戯をして回っているのが楽しくてしょうがなかったんでしょう。 「なんでバラすのおねーちゃん！そんなイジワル言うと、おねーちゃんがはだかんぼになってビニールプールで水浴びしてる写真を凪さんに見せちゃうんだから！」 ほ、ほう。そんなえちちな・・・もとい、無邪気で可愛らしい写真があるのか。それはぜひ見せてもらわないと。 「そのアルバムに入ってた奴なら全部抜いてある。ネガも処分済み」 「「えー」」 私と瑞葵ちゃんは揃って不満げな声を上げて抗議しました。が、向日葵ちゃんがガチ殺気を含む視線を向けて来たのですごすごと引き下がるしかありませんでした。 「瑞葵はともかく、早渚さんは不満言わないで下さい。普通に考えて、子供の頃とはいえ裸の写真なんて見せられませんから」 「ち、違うんだよ向日葵ちゃん！私は別に小さい子の裸の写真が見たかったわけじゃないんだよ？」 「そうだよおねーちゃん。凪さんはロリコンじゃないもん。ただ私みたいなお胸が慎ましい女の子が好きなだけだもん。ね、凪さん」 そうなんだけど、すごい同意したくない。これで同意したら本格的に向日葵ちゃんから軽蔑される気がしてならないから。 「瑞葵、あんたすごい自然に話題すり替えたね。いつの間にか写真の話から早渚さんの性癖の話に変わってるんだけど」 「うわ、本当だ。瑞葵ちゃん怖い」 「もー！おねーちゃん何で邪魔するの！凪さんが好きって言ってくれたらそれ口実にアピールが出来そうだったのにー」 瑞葵ちゃんのアピールとか、絶対見たらタダじゃすまない奴じゃん・・・。 「とりあえず、早渚さんは瑞葵との距離感気を付けて下さい。油断してると真面目に押し倒されますよ？瑞葵は瑞葵で、そういう事をするのはちゃんとお付き合いしてからにしなさい」 「そういう事って？私はただツインテール姿を見せてあげようと思っただけなんだけどなー？おねーちゃんえっちな事考えてない？」 瑞葵ちゃんが微笑みますが、絶対嘘だと思う。前後の文脈から言って、『アピール』がツインテールの訳がない。私と向日葵ちゃんは口を揃えて、 「「嘘つき」」 発言。瑞葵ちゃんはご不満の様子でしたが、これに関しては向日葵ちゃんの言い分が正しいと思う。確かに私と瑞葵ちゃんの距離感は最近近すぎる気もするし、ちょっと気を付けよう。