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必殺の玄葉カレー

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2025年01月13日 15時00分
使用モデル名:animagine-xl-3.0
対象年齢:全年齢
スタイル:イラスト
デイリー入賞 66
参加お題:

私の妹である玄葉は料理が下手です。コロッケを揚げれば石炭が出来上がるし、イチゴのケーキを作ればガトー・オ・ショコラの見た目に変貌します。なので家での料理はほとんど私が担当していますが、時々玄葉に料理を教えてあげていました。そして今日は満を持して、玄葉の手作りカレーがお昼ご飯になります。 「見てお兄、カレーが黒くならない!」 「そうだね、大進歩だよ。いつも玄葉の料理って黒の組織かよってくらい真っ黒になるもんね」 「〇すぞ」 「ごめん」 カレー自体は簡単に作ろうと思えばかなり楽にすむ部類の料理です。カントリースタイルの冷凍フライドポテトや冷凍ホウレンソウ、ウインナーなどを使えば包丁さえいらない作り方もできます。しかし玄葉は不器用な訳では無いので、コロッケだって揚げる直前まではちゃんとできてました。だから今回は市販のカレールーの箱に書いてあるように、具材を切って煮込み、カレールーを投入するやり方。スパイシーな香りが広がって食欲をそそります。 「お兄のやり方見てるとカレーってもっと面倒な料理だと思ってた」 「私のやり方は手間かけるからね。玉ねぎを飴色になるまで炒めたり、豚肉にナツメッグ揉み込んで焼き目をつけたりするから」 やろうと思えば玄葉もできるはずですが、工程を増やすとどこで玄葉のスキルが炸裂して毒化するか分からないので、一番スタンダードなやり方でやらせました。 「お兄、お兄。せっかくだから写真撮りたい。ちょっとスマホ持ってくる」 「うん、行ってらっしゃい」 玄葉がテンション高めに自室に戻っていきます。入れ違いに、幽魅が家の外壁をすり抜けて入ってきました。 「いい匂いするねぇ凪くん!カレーって独特の匂いするよねぇ!」 幽魅はさっそくカレーの鍋に目を付けました。食べたそうにしてます。丁度いいな。 「いらっしゃい幽魅。ちょっと味見する?」 「いいの?凪くんありがとー、愛してるぜっ」 幽魅は自分の髪を一房ちぎってスプーンに変化させると、カレーを掬い取って口に運びました。さて、どうなるかな。 「ぱじゃふ」 幽魅の全身に電流が走ったかのように痙攣が始まり、涙とよだれがあふれ出してきました。どっちだろう。おいしすぎて感動してるのか、マズすぎてショックなのか。じっと見守っていると、幽魅はしばらくえずいていましたが、ついには自分の頭部を丸ごとちぎり取って、新しい頭を断面から生やしてきました。ちぎった頭をシンクに向けてゲーゲーとさせながら、新しい頭の方でも涙とよだれが止まってません。そこまでか。これはハズレだったみたいですね。 「な・・・凪くん・・・これ何」 「玄葉の作ったカレー」 「これをカレーって呼ぶのダメだよぉ・・・!カレーへの冒涜だよこんなの!だっておかしくない?色も匂いも普通のカレーだし、変な具材だって浮いてないのにさぁ!味だけおかしいってどういう事なの!?舌に乗せた瞬間さ、脳が『これは食べ物じゃない』って警告出してきたもん!死ぬかと思ったのを通り越して成仏するかと思ったよぉ!」 いや、成仏はした方がいいと思う。四十九日もとっくに過ぎてるのに、いつまでもこの世に留まってるのってどうなんだろう。次の人生へ生まれ変われなくなるんじゃないかなってちょっと心配。 「玄葉ちゃん本当料理のセンスなさすぎじゃない!?人には出来る事と出来ない事があるんだからさ、潔く諦めたらいいと思うな!もうホント劇物だよこれ、鍋が溶けてないの奇跡だね!」 「あ、幽魅後ろ」 私の警告は少し遅かったようです。幽魅の後頭部に叩きつけるようにお札が貼られ、幽魅はしびれて床に倒れ込みました。玄葉が戻ってきていたのです。 「く・ろ・ば・ちゃ・ん」 呂律の回らない状態で怯えて声をあげる幽魅でしたが、玄葉は冷めた目で塩の瓶を手に取りました。 「マズいカレー作ってごめんね幽魅さん。口直しが必要でしょう?たっっっぷりのお塩を飲ませてあげるから」 玄葉は幽魅の頬にアイアンクローを決めて口を開かせると、その中に蓋を開けた塩の瓶を差し入れました。中身がどんどん幽魅の体に流れ込み、蒸気をあげながら幽魅の体が溶けていきます。やがて幽魅がぴくりとも動かなくなると、玄葉は幽魅から手を離してカレーの鍋の方に向かいました。 「お兄、幽魅さんをよろしく。私はこの産業廃棄物捨ててくるから」 玄葉は目にうっすら涙を浮かべながらカレーの鍋を持って外に出て行ってしまいました。私は幽魅のお札を剥がしてあげようと思いましたが、剥がすとすり抜け能力が使えるようになるため、介抱のためでも触れなくなる可能性がある事に気付きました。そこで硫酸を浴びた死体みたいになった幽魅を担ぎ上げて、浴室の浴槽に沈めてからお札を剥がしてあげます。こうしておけば、水分で塩分が中和されて回復するでしょう。 「幽魅、ちょっと言い過ぎだったね。回復したらちゃんと玄葉に謝ってあげてね」 返事はありませんでしたが、かすかに幽魅が頷いたように見えたので、私は浴室を後にしました。庭では玄葉が鍋から出したカレーを土に埋めているのが見えました。・・・大丈夫かな、ちゃんと土に還ればいいけど。庭が草も生えないような汚染地域になったら復旧が大変そうです。

コメント (15)

thi

お料理のお話しからケミカルハザードのお話しになるのですね

2025年01月16日 13時47分

早渚 凪

普通に『おいしいカレーが出来てよかったね』ってなるとオチが弱いですからね。・・・これはパンチがあり過ぎる展開な気もしてますがw

2025年01月16日 15時01分

うろんうろん -uron uron-

どじょー汚染ににゃらにゃいか心配ニャ~💦

2025年01月14日 11時21分

早渚 凪

雨などで薄まるまではカレーの塩分で除草効果があるかも?まあカレーは原料的にはほとんど有機物なので、土には還るはずです。

2025年01月14日 15時17分

ルノハ
2025年01月14日 10時46分

早渚 凪

2025年01月14日 15時16分

M.T.
2025年01月14日 04時35分

早渚 凪

2025年01月14日 15時16分

サントリナ
2025年01月14日 02時57分

早渚 凪

おいしそう!?劇物ですけど!

2025年01月14日 15時16分

gepaltz
2025年01月14日 00時55分

早渚 凪

2025年01月14日 15時16分

ぜんざい

どんな味がしたの…ぱじゃふ!!!

2025年01月14日 00時18分

早渚 凪

凪「池の水には耐えられても玄葉の料理には耐えられなかったかぁ・・・」 玄葉「お兄、それ私の料理が池の水より汚いって言いたいわけ?」

2025年01月14日 15時15分

Anera

最後・・・

2025年01月13日 23時38分

早渚 凪

多分そのうち雨とかで徐々に影響力も薄まるはず・・・

2025年01月14日 15時14分

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2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 全年齢~R15を中心に投稿します。現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っています。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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