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除草作戦(4/5)

20

2024年10月20日 03時48分
使用モデル名:ProfiteroleMix
対象年齢:全年齢
スタイル:イラスト

目の前が真っ暗になりました。最後に焼き付いたのは、王歩さんの静かな怒りの表情、宿城の勝ち誇った笑み、そして晶さんの流した一筋の涙・・・。もうおしまいだ、そう思った時でした。 「やっと・・・やっと会えた・・・!」 静まり返ったパーティ会場に、聞き慣れない女性の声が響きました。全員がそちらを見ると、晶さんと同年代くらいの女性が一人、そしてその傍らに小学校低学年くらいの少年が一人。どちらも、くたびれた洋服を着ており、パーティ会場の中では異彩を放っています。 「お・・・お前は・・・!?」 突然、宿城が動揺しました。そんな彼に、二人は近づいていきます。あの少年、近くでよく見ると宿城に似ているような・・・もしかして。と、私のスマホが振動しました。江楠さんからメッセージが入っています。 『旗色が悪そうだったから、介入させてもらったよ。今会場に入った親子連れは、私が用意しておいた保険だ』 江楠さんの保険・・・つまるところ、逆転の切り札ってところでしょうか。女性は宿城ににじり寄り、話しかけていきます。 「ずっと会えるチャンスを待ってたの。私のこと覚えてる?高校の同級生だった羽佐美高枝(はさみ たかえ)よ」 「警備員を呼んでくれ!招待客じゃない、ストーカーだ!」 宿城は大慌てで声を上げますが、誰も反応しません。これだけ場が混乱すれば、それもまあ当然かもしれませんが。 「何がストーカーよ、勝手に私を捨てたのはあなたでしょう!ほら、この子を見て!あなたの息子よ、そっくりでしょう!」 「嘘だ!そんなはずない!」 高枝さんが連れてきた少年は、確かに宿城に似ています。まるで宿城の少年時代のように。 「そうだ、これもフェイクだ!そのカメラマンが用意したやらせのエキストラだ!」 宿城が私を指さして叫びます。会場中の視線が私に集まりましたが、私もまだ事情が分からずに困惑しているのを見て取ったのか、誰もが怪訝な顔をして宿城に視線を戻しました。 『そのご婦人は宿城サイトが高校時代に孕ませた同級生でね、何人か被害者はいたんだが、全員が中絶費用と慰謝料を渡され、表沙汰にならないように示談にさせられていた。だが、一人だけ金を受け取ったが中絶しなかった人がいたんだ。それが彼女、羽佐美高枝だ。それを知った私は、昨日の午後から彼女たちを東北まで迎えにいっていたのさ』 スマホには江楠さんのメッセージがまた送られてきていました。江楠さんの言う事が本当なら、これは確かにとんでもない切り札・・・もはや爆弾です。 「あなたにもらった中絶費用と慰謝料は手を付けていないの。ねえ、お願いだから認知して!生活も苦しいし、この子は学校で父親がいないからっていじめられているのよ!」 「知らない、知らない、知らない!俺はお前なんて見た事もない!近寄るな!」 すっかり、場の中心は宿城と高枝さんになっていました。王歩さんでさえ、私の事を忘れたように状況に呑まれています。私がふと視線を宿城の両親に移すと、父親は怒りからか羞恥からか顔を真っ赤にして俯き、母親はさめざめと泣いていました。これは・・・ガチだな。 「おとうさん・・・」 少年がおずおずと進み出ました。宿城の顔を見て、父親だと直感したのでしょう。 「く、来るな!俺はお前の父親なんかじゃない!」 宿城が後ずさりしますが、少年は宿城に駆け寄ってその足に抱きつきました。 「おとうさん!」 「いい加減にしろ!汚い手で触るなクソガキが!」 あっ、と思った時にはもう手遅れでした。怒りに我を忘れた宿城は、少年を自由な方の足で激しく蹴り飛ばしたのです。少年はホールの床を転がり、一瞬の後に火が付いたように激しく泣き始めました。 「なんてことを!」 高枝さんが少年に駆け寄り、強く抱きしめます。それでも彼は泣き止みません。宿城は肩で息をしていましたが、自分の行動に気付いたのか、はっと身をこわばらせました。 その時です。テーブルを激しく叩く音が鳴り響きました。皆がそちらに目をやると、晶さんが怒りの表情でテーブルに拳をめりこませています。 「もう結構ですわ。宿城さん、どうやらわたくし、あなたを誤解していたようです」 「ち、違うんだ晶さん!この女は本当に俺とは関係ないんだって!」 「そのような事はどうでもよろしい!」 晶さんの怒号に、宿城は怯んですくみあがりました。無理もありません、距離のある私でも怖かったくらいです。 「あなたがかつてその女性と関係を持っていて、子供までいる。それが真偽かどうかなど、今起きた事に比べれば大した問題ではありませんわ。どんな理由があろうが、このように年端も行かない少年に暴力を振るうような人間が、金剛院家を背負って立つにふさわしい人物だとは思えません」 そして晶さんは決定的な一言を宿城に叩きつけました。 「わたくしはあなたのような男性とは結婚できません!」 宿城は、そのあまりの剣幕によろよろと足元をふらつかせました。そして助けを求めるように王歩さんに視線を向けましたが、王歩さんも厳しい表情で宿城に告げます。 「晶の言う通りだ。君という人間の本性がよく分かった。婚約の話は無かったことにしてもらおう。それより、誰か医者を呼んでくれ。少年の手当てをしてもらわなければ」 「そ、そんな・・・!」 宿城は額を押さえて肩を落としました。これは・・・私たちが勝った、のか。王歩さんの指示を受けて、ホテルの招待客の中の一人が少年を診察しはじめました。会場のあちこちから混乱したどよめきが起こり始め、事態が一段落したことを告げています。 「・・・ろしてやる」 ぼそり、と宿城が呟きました。はっとして視線を向けると、宿城が私に向かって歩み寄ってきていました。他の人は誰も宿城の動きに気付いていません。 「お前のせいで全部台無しだ・・・!お前さえいなければ・・・!」 宿城が懐から大きなサバイバルナイフを取り出しました。鞘から刃を抜き、私に向かって駆けだします。私は、咄嗟の事で体がこわばってしまいました。 「早渚凪いいいーーーっ!」 宿城の叫び声で、何人かの人が事態に気付きました。しかしもう間に合いません。動けない私の腹部目掛けて、宿城のナイフが突き出されました。

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2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 全年齢~R15を中心に投稿します。現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っています。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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