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丑三常世橋
この村にはある風習があってね。 今日はその話をしようか。 昔からこの村にある橋から水面を覗き込むと、あの世に連れて行かれるという恐ろしい噂があるんだ。 村長が言うには、丑三つ時はこの世とあの世を隔てる境界が一番緩くなると言われていて、その時間帯は絶対に橋に近づいてはいけないそうだ。 もしも近づいてしまった時は、水面に映るあの世の世界から亡者が現れて、そのまま引きずり込まれてしまうんだ。だから丑三つ時の時間は村の誰もこの橋には近づこうとしない。そもそも寝ている時間だから近づきようがないんだよ。 でもね、中には興味本位で近づく奴が必ずいるんだよ。風習と言っても単なる噂話だからね。信じない奴がいるのも無理はない。 特に注意なのが、村の風習を知らない外からの移住者だ。彼らほど危険な人たちはいない。村長がこの話をしても、迷信だの嘘だの全く信じようとしない。そうして話を聞かなかった者はいつの間にかいなくなっている… 君もこんな人たちのようにならないように、丑三つ時には絶対に橋には行かないでね。 ……って、骸になった君に言っても意味ないか。 君が悪いんだぜ? 人の話は最後まで聞くものだぞ? だからこんなことになった、それだけさ。 もう君に用はない。 さようなら、そしてありがとう。 おかげで丑三常世橋はまた一歩、完成に近づいたよ。
