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サウナの熱気と、高鳴る鼓動
立ち込める蒸気が視界を白く染め、木の香りが肺の奥まで熱く染み渡る。狭いサウナ室の中、外の世界の喧騒は遠ざかり、そこには二人分の呼吸音だけが響いていた。 火照った肌を伝う雫は、止まることを知らずに彼女の曲線を描いていく。潤んだ瞳がこちらを捉えた瞬間、それが熱気のせいなのか、あるいは言葉にできない感情の昂ぶりによるものなのか、判別することは叶わなかった。 ただ、触れれば溶けてしまいそうなほど柔らかな沈黙の中で、高鳴る鼓動だけが、この閉じられた空間の正体を知っているのである。

